クラスターでカスケード削除を使用する
このページでは、ガベージコレクション中にクラスターで使用するカスケード削除のタイプを指定する方法を示します。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
また、さまざまな種類のカスケード削除を試すために、サンプルのDeploymentを作成する必要があります。 タイプごとにDeploymentを再作成する必要があります。
Podのオーナーリファレンスを確認する
PodにownerReferences
フィールドが存在することを確認します:
kubectl get pods -l app=nginx --output=yaml
出力には、次のようにownerReferences
フィールドがあります。
apiVersion: v1
...
ownerReferences:
- apiVersion: apps/v1
blockOwnerDeletion: true
controller: true
kind: ReplicaSet
name: nginx-deployment-6b474476c4
uid: 4fdcd81c-bd5d-41f7-97af-3a3b759af9a7
...
フォアグラウンドカスケード削除を使用する
デフォルトでは、Kubernetesはバックグラウンドカスケード削除を使用して、オブジェクトの依存関係を削除します。
クラスターが動作しているKubernetesのバージョンに応じて、kubectl
またはKubernetes APIのいずれかを使用して、フォアグラウンドカスケード削除に切り替えることができます。
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください: kubectl version
.
kubectl
またはKubernetes APIを使用して、フォアグラウンドカスケード削除を使用してオブジェクトを削除することができます。
kubectlを使用する
以下のコマンドを実行してください:
kubectl delete deployment nginx-deployment --cascade=foreground
Kubernetes APIを使用する
ローカルプロキシーセッションを開始します:
kubectl proxy --port=8080
削除のトリガーとして
curl
を使用します:curl -X DELETE localhost:8080/apis/apps/v1/namespaces/default/deployments/nginx-deployment \ -d '{"kind":"DeleteOptions","apiVersion":"v1","propagationPolicy":"Foreground"}' \ -H "Content-Type: application/json"
出力には、次のように
foregroundDeletion
ファイナライザーが含まれています。"kind": "Deployment", "apiVersion": "apps/v1", "metadata": { "name": "nginx-deployment", "namespace": "default", "uid": "d1ce1b02-cae8-4288-8a53-30e84d8fa505", "resourceVersion": "1363097", "creationTimestamp": "2021-07-08T20:24:37Z", "deletionTimestamp": "2021-07-08T20:27:39Z", "finalizers": [ "foregroundDeletion" ] ...
バッググラウンドカスケード削除を使用する
- サンプルのDeploymentを作成する。
- クラスターが動作しているKubernetesのバージョンに応じて、
kubectl
またはKubernetes APIのいずれかを使用してDeploymentを削除します。 バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.
kubectl
またはKubernetes APIを使用して、バックグラウンドカスケード削除を使用してオブジェクトを削除できます。
Kubernetesはデフォルトでバックグラウンドカスケード削除を使用し、--cascade
フラグまたはpropagationPolicy
引数なしで以下のコマンドを実行した場合も同様です。
kubectlを使用する
以下のコマンドを実行してください:
kubectl delete deployment nginx-deployment --cascade=background
Kubernetes APIを使用する
ローカルプロキシーセッションを開始します:
kubectl proxy --port=8080
削除のトリガーとして
curl
を使用します:curl -X DELETE localhost:8080/apis/apps/v1/namespaces/default/deployments/nginx-deployment \ -d '{"kind":"DeleteOptions","apiVersion":"v1","propagationPolicy":"Background"}' \ -H "Content-Type: application/json"
出力は、次のようになります。
"kind": "Status", "apiVersion": "v1", ... "status": "Success", "details": { "name": "nginx-deployment", "group": "apps", "kind": "deployments", "uid": "cc9eefb9-2d49-4445-b1c1-d261c9396456" }
オーナーオブジェクトの削除と従属オブジェクトの孤立
デフォルトでは、Kubernetesにオブジェクトの削除を指示すると、コントローラーは従属オブジェクトも削除します。クラスターが動作しているKubernetesのバージョンに応じて、kubectl
またはKubernetes APIを使用して、これらの従属オブジェクトをKubernetesでorphanにすることができます。
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください: kubectl version
.
kubectlを使用する
以下のコマンドを実行してください:
kubectl delete deployment nginx-deployment --cascade=orphan
Kubernetes APIを使用する
ローカルプロキシーセッションを開始します:
kubectl proxy --port=8080
削除のトリガーとして
curl
を使用します:curl -X DELETE localhost:8080/apis/apps/v1/namespaces/default/deployments/nginx-deployment \ -d '{"kind":"DeleteOptions","apiVersion":"v1","propagationPolicy":"Orphan"}' \ -H "Content-Type: application/json"
出力には、次のように
finalizers
フィールドにorphan
が含まれます。"kind": "Deployment", "apiVersion": "apps/v1", "namespace": "default", "uid": "6f577034-42a0-479d-be21-78018c466f1f", "creationTimestamp": "2021-07-09T16:46:37Z", "deletionTimestamp": "2021-07-09T16:47:08Z", "deletionGracePeriodSeconds": 0, "finalizers": [ "orphan" ], ...
Deploymentによって管理されているPodがまだ実行中であることを確認できます。
kubectl get pods -l app=nginx
次の項目
- Kubernetesのオーナーと従属について学ぶ。
- Kubernetes ファイナライザー(Finalizers)について学ぶ。
- ガベージコレクションについて学ぶ。